汽水湖

 

知りたくて、もっと、あなたのこと

だけどなんて聞いたらいいか、わからなくて

 

「あなたの町には海はありますか」

なんでもよかった

あなたに触れることならなんでも

私は海を見るのが好きです

あなたの町には海はありますか

 

あなたはわたしの知らない言葉

たくさん知ってた

「キスイコもあるよ、意味は自分で調べてね」

 

知りたくて、もっと、あなたのこと

すぐに調べたよ キスイコ、キスイコ

 

 

あなたの町にはなにがありますか

犬と猫はどっちが好き?

好きな小説を教えてください

あなたはどんな町で生まれましたか

 

あからさまなことは聞けなくて

子どもみたいなことばかり聞くわたしに

ぜんぶ、教えてくれた

 

 

 

海と湖の混ざったところ

あなたの子供時代

 

想像して胸がいっぱいになる

 

苦しいくらいに押し寄せる波

必死に、息するわたし

 

 

 

 

ひどい日

 

 

眠れなくてだけどゆめうつつで

濁った眼を開けたり閉じたり

 

こころが音を立てて壊れるのがわかる

本当に鳴るんだ

ガラガラガラガラって

 

 

 

ああああ。

 

 

冷たくて熱くてどうしようもない

真っ暗で眩しくて

もう もう。

 

 

 

 

助けてくれないで。

こっちを見ないで。

ひとりなんだ。

 

 

 

 

 

壊れた心はもう

元には戻らない。

 

そうやってだんだん減っていくんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かけがえのないもの

 

失ったら おわりなの

 

なくなったら、もう、ない

 

 

 

あなたと出会ったとき

一緒に生まれたわたしは

 

あなたを失ったとき

いっしょに死ぬ

 

 

 

 

失うことはこわくないよ

こわくない

 

自分もいっしょに手放すだけ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

失いたくない いなくならないで

魂の双子

なにかの小説で出会った言葉なんだけど、

魂の双子

 

 

つまりは「仲良しの二人」って意味なんだけど、

最近の私のお気に入りの言葉。

 

 

 

 

 

魂の双子

 

 

そんな人、一生かけて一人出会えるかどうかだと思う。

 

 

 

 

彼女がいなければ今の私はないんだ。

彼女が死んでしまったら、私も半分死ぬ。

もしかしたらほとんど死ぬかもしれない。

 

彼女の声、まなざし、いつもゆっくり頷くこと、たまにすごく悲しい顔をすること、溢れてしまう涙。

 

わたしを救うもの。

 

 

彼女の感じた事は私の血となり肉となる。

わたしを生かすもの。

 

 

魂の双子。