好きという感覚

 

彼女のひとを好きになるという感覚は

懐く、に言いかることができる。

 

それはとても直観的で動物的で野生的だとおもう。

 

基本的に警戒心をもち、ひととの間に一枚でも二枚でも、壁を作る。

正体を知られないように、というよりもとにかくガードする、いろんな意味で。

 

でもある日、この人にはガードをしなくても大丈夫だ、と悟ったときから、

急に彼女は懐きだす。

 

それは犬や猫にもよく言うように

犬や猫は自分を好いてくれる人を感じ取り、好む。

まさにそんな感じ。

 

自分に無害な人、すべてを受け入れてくれる人を嗅ぎ分けるのだ。

それはとても簡単なことらしいけど、そんなひとに出会うのは困難なことのようで。

この特別感が彼女にとっての恋愛であり、はじまりはいつもそうだ。

 

だけど彼女はときどき気分で、

ごろにゃ~ごとすり寄ったかと思えば、はなれたところで眠ったりする。

 

そして彼女は今僕以外の男に懐きたがっているように感じる。

僕は彼女にいっておいでと言うことができない。