思い出すこと
思い出で、思い出だけで頭のメモリーがいっぱいになった日。
明日は月曜日でいつものように会社に行くということはもちろんわかっているのだけれど、そんな目の前の現実よりも、鮮明に、くっきりとその思い出がわたしの頭の中を支配する。
すごくすごく大切な思い出。
これが思い出に縋るということならば、きっとそうなんだ。
人はなぜ思い出に縋るのか。
思い出して浸っている。
まるでかけ離れた赤の他人の物語のような気もするけれど、これは間違いなく自分の経験で、その経験を経た本人は間違いなくここにいる私。とても物語のつづきが「今」だなんて信じられないかもしれないけれど、一瞬も途切れることなくここに繋がっているんだ。
そんなことちゃんと知っているよ。
でも今だけは今とは切り離してもいいかな。
あのころの自分も好きだったんだ。
あの頃が好きだったんだ。
ああ愛おしいな。